先日の総会でお伝えしたように、皆様からお預かりした「岐阜県保育団体被災地支援募金」を被災地へ直接お届けしました。能登半島に向かったのは可児亨岐阜県保育研究協議会会長と杉山賢当連盟副会長、訪問先はオールこども石川事務局・平和こども園・七尾市立中島保育園です。
【オールこども石川事務局】
まずはじめに、オールこども石川事務局を訪れました。こちらは石川県社会福祉協議会・日本保育協会石川県支部・石川県認定こども園協会・石川県私立保育園連盟が「令和6年能登半島地震で被災したすべてのこどものために」を掲げ合同で立ち上げた団体です。
【平和こども園へ】
続いて、穴水町にある平和こども園へ向かいます。道路状況はずいぶん改善されていましたが、道路脇には全壊した家屋が多く取り残されていて被害の大きさを改めて感じました。
平和こども園は、震災直後より自主避難所となっており、現在も上下水道とも不通の状態ですが避難者を受け入れしつつ保育を再開されていました。日吉輝幸園長に貴重なお話を伺えましたので、お伝えします。
【園の状況について】
1月3日に避難所を開設され、最大で約40名の避難者を受け入れ。避難者は平和こども園の隣にある総合病院に避難してきた人がほとんどで、病院ですし詰めのようになっていたので、お子様を中心に声をかけて平和こども園に移ってもらったそうです。はじめの頃は避難物資はカップラーメン12個と菓子パン20個くらいだけ届いたので、つぎの配給がいつか分からないことを伝え、みんなで喧嘩しないように分けてもらった様な状況だったそうです。日吉園長と奥様は職員室で寝泊まりされ、スーパーなどから食材が届くようになった時には奥様が調理して皆さんに提供したということです。
園児については、保育再開は1月下旬で少しずつ登園する園児も増えてますが、断水している穴水にはなかなか居られず、親戚や知り合いを頼って他の土地に避難しているご家庭や、避難所で過ごしていて未だ通園していない園児が約半数あるそうです。ちなみに現在の全園児数は約70名。保育は未満児も含めて現在2階で行なっており、1階部分は避難所として使用しています。
現在もいろいろな避難所に入所して、仕事も再開できていないご家庭には、親子で登園してもらい、お子様の保育をしている間に、空いている保育室を使って、cafe和(なごみ)という喫茶店のような場所を作って、心の拠り所にしてもらっているという現状もありました。
【今後の園運営について】
取り敢えず、3月中をもって現在非難している方々も、平和こども園を出て避難施設へ移ることになっているようです。4月以降も約60人の園児を預かる予定ですが、依然断水状態にあり上下水道の修繕も必要なのですが、業者が手一杯でなかなか修繕が出来ないとのことです。
【支援について】
皆さまの温かい支援に本当に感謝している。岐阜の皆さまを含め多くの保育の仲間達に励してもらい、どんなお返しをしていいか分からない。
おかげさまで水やおむつなどの支援物資は充分行き届いている。園舎の被害総額が約1.3億円の見込。園舎復旧に関しては国の補助が入る予定で、熊本震災では9割補助があった。園の持ち出しとなる分の資金は皆様のお陰様で確保しつつあるということでした。
【七尾市立中島保育園】
その後、中島保育園へ移動します。こちらは被害も比較的少なく通常保育を再開していました。ただ、被害は少ないものの、登園再開した子どもたちにはメンタルが不安定なお子さんも多くサイレンやベルの音にも敏感なので、避難訓練などは当分できないということでした。物的な支援だけでなくメンタルヘルスも含め、継続的な支援が必要だと感じました。
【最後に】
駆け足ですが報告は以上です。実際に現地を訪れて皆様が元気に保育されている様子を拝見し安堵すると共に、継続的な支援の必要性をひしひしと感じました。支部としてもひきつづき力添えが出来たらと思います。会員の皆さまのお力添えも今後ともいただけましたら幸いです。